会社に行きたくないあなたへ

心理カウンセラーとして100人以上のうつ病回復をお手伝いしてきました。「会社に行きたくない」あなたへお伝えしたいコトを書いていきます。

疲れているのにエレベーターを使わない人たち

私が以前勤めていた会社には、エレベーターがあったのですが、電気代削減のために、5階以下の移動の場合は使用禁止という張り紙が張ってありました。

私は当時、エレベーターの電気代がどれほどなのかよく分かっていなかったのですが、素直にそれを守っていました。

 

残業続きで、疲れきっていた時も、ずっとそれを守っていました。

 

一方、私の同期の一人に、要領よく毎日定時に帰っている人がいました。その同僚は5階以下の移動禁止というルールを全く無視してエレベーターを利用していました。ルールを守ることが大切だと思っていた私は、それを見るたびに気になっていたため、ある日雑談ついでに、なぜ階段を使わないのか聞いたことがあります。

 

そこで帰ってきた答えはとてもシンプルです。

「エレベーターの方が楽だから」

 

その当時は「まあ、そういう考え方もあるか」くらいにしか思いませんでしたが、心理カウンセラーになって今考えると、うつになる人とならない人の違いはこれなんだと思います。

 

私も含めうつになるような人は、ルールをとても厳格に守ります。そしてまたルールによって疲れていくのですが、どんなに疲れていてもそのルールから脱出できません。というより「脱出しようという発想がない」のです。

 

話が飛びますが、エレベーターは何故発明されたのでしょうか。

おそらく、「階段より楽に早く移動できるようにするため」だと思います。

 

私は当時、仕事で疲れているときもずっとエレベーターを使っていませんでしたが、今考えれば、「疲れている私が使わなかったら、いったい誰が使うんだ」「何のためのエレベーターなの?」ということなんです。

疲れたときは楽をしていいんです。そのための道具です。

 

そしてそれば仕事でも同じことが言えます。疲れて業務が全然片付かないときは、自力解決はさっさとあきらめ、使える他力(他人の力)を利用することです。

 

仕事を他人に手伝ってもらうことに対して罪悪感を持つ必要はありません。それこそ「疲れ切っている人間が他人にお願いできないならば、何のための会社組織なんだ」ということなんです。

フォローしあい、誰かが病気の時にも安定して仕事を行うことができるようにするために、組織というものはあるんです。

 

会社自体が忙しい場合は、なかなか他人に仕事をお願いすることがハードルが高いかもしれませんが、うつの症状がみられる方は、まず、今できることのうち「楽をすること」を徹底的に探してください。

もちろんエレベーターを使うこともその一つです。

仕事を休めないと決めているのは自分

私がうつ病でどん底だったころ、毎日疲れていました。何か特別な疲れるようなことをしているわけではないのにです。具体的に言うと、朝起きた瞬間から疲れていました。むしろ朝起きた瞬間(これから仕事に行かないといけない瞬間)が最も疲れていました。

この疲れはたまの休みにゆっくり睡眠をとったからと言ってとれるものではありませんでした。休んでも休んでも、とにかく常に疲れていたのです。

 

疲れていた私が考えるのはいつも「仕事を休みたい」ということ、でも即座に「仕事を休めない」と自分で否定します。

仕事を休めない理由はもちろんいろいろあります。「どうしても今日やらなければならない打ち合わせがある」、「今日提出期限の書類がある」などなど。そして吐き気と息苦しさを感じながら出勤していました。

 

ある日、風邪をこじらせてしまい、朝本当につらかった日がありました。その日は大事な打ち合わせの日です。書類はすでに作成済みですが、どうやって得意先にその資料の説明をするかは自分しか分かっていません。

 

そう、「自分にしか分かっていない」から仕事を休めないと思っていました。
そう勘違いしていました。

 

本当につらかったので、上司に電話したところ、「了解。お大事に。資料は私から説明しておくよ。」とあっさり言われました。

「え?大丈夫なの?」と思いましたが、よくよく考えれば当たり前のことです。

仕事は組織で行っています。大事な打ち合わせの書類であればあるほど上司との調整を重ねながら、また関係部署との調整を重ねながら作り上げています。

 

何が言いたいかというと、仕事の担当はもちろん私ですが、組織である以上「私しか知らないこと」などあるはずがないのです。
(つまり日頃から他人に仕事の確認をお願いしておくなど、「迷惑をかけておく」ことが非常に重要になってきます)

もちろん私が頭でイメージしているものと全く同じ説明はできません。でもそれをする必要もないのです。会社として打ち合わせがうまく進みさえすれば。
結果、打ち合わせは無事に終わり、特に支障も発生しませんでした。

 

今思うと、うつになりながらも私は上司に恵まれていたんだなと思います。うつ病はそれすらも見えなくしてしまう病気なんです。

 

うつを脱した今であればこう思います。組織で仕事をしている以上、社員が一人休んだくらいで会社が傾くことはない。もし、社員一人が休んだだけで傾くような会社であれば、もともとつぶれています。

 

結局「仕事を休めない」と決定しているのは自分なんです。つらいなら、休んで他力(他人の力)を使いましょうよ。

あなたも、他の人が休んだ時にフォローに回ったことはないですか?
お互い様なんですからもっと他人に迷惑をかけましょうよ。

 

「自分は相手の迷惑を受け付ける。でも自分は他人には迷惑をかけたくない。」

 

これが実践できるのは神様仏さまです。
つらいときは電話をかけて「休みます」と一言言ってください。一日好きに過ごしてください。自分を甘やかしてください。

 

そして、これが一番大事なのですが、「迷惑をかけてしまって申し訳ない」という罪悪感を感じる必要は一切ありません。本当に「一切」必要ありません。

 

それが組織です。それが会社です。「他人に迷惑をかけられる」ということは、自営業ではなきサラリーマンという職業の「最大のメリット」です。「最大の特典」です。

あなたはサラリーマンになった瞬間に、他人に迷惑をかけていい権利を得ているのです。本当におめでとうございます。
罪悪感を感じることなく、思いっきり休んでください。

 

こんなことを書くと、「休んでも仕事が回っていくなんて、組織になくてもいい人間だけでしょう。」ということを言われる方がいます。

 

はっきり言いましょう。どんなに上司から期待されていようが、どんなに重要な仕事を抱えていようが、「みんな組織にとって、いなくなっても支障がない人間です」。
何度も言いますが、それが組織です。誰かがいなくても必ず組織は回っていきます。

 

自分は会社に必要な人間になるとか、小難しいことを考える必要はありません。

あなただけ負担を背負う必要は何もないんですよ。

ひとりで問題解決しようとする人こそ迷惑

私がうつの真っただ中だったころ、馬鹿みたいに必死になって働いていたころは、「問題が発生したら、できるだけ他人に迷惑をかけずに解決しよう」と思っていました。
結果的に残業することになっても、自分が担当する仕事なのだから自分がやるしかないと。

 

そしてある日、いつもマイペースで仕事をする1人の同僚がミスによりトラブルを抱えてしまいました。多方面に迷惑がかかるかなり大きな問題です。その同僚がどういう行動をとったのかというと、「その日もいつも通り定時に帰宅」したのです。

頑張ることが正義だと信じていた当時の私には全くその行動が理解できず、苛立ちさえ覚えたのを記憶しています。

 

でも「頑張る病」を卒業した今、改めて思えば、それはとてもスマートな行動なのです。

トラブルの処理には多方面との調整が必要でした。そしてあまりにも大きな問題であったため、一人の手で処理できるような問題でもなかったのです。その同僚は、関係する部署に謝りの電話を入れ、「どうすれば解決すればよいのか自分にはわからないので教えてほしい。」と伝えました。そしてその相手は「お前一人のせいでもないし、お前一人で解決できる問題じゃないからそんなに気にするな。とりあえず今日お前ができることはないよ。」と答えたのです。

そのやりとりの後で定時帰宅しているのです。

当時の頑張る病の私には、「ミスをした人は定時に帰る資格はない。」という謎のルールが頭の中にあったので、苛立ちを覚える結果になったのですが、「ミスをした人が定時に帰ってはいけない。」理由は今考えても何も浮かびません。

 

逆にこれならどうでしょうか。
ミスをした同僚が、(自分一人で解決できる問題でもないのに)責任をとるかのように残業をし、深刻な表情で机に夜遅くまで座っている。

いやいや、そんなことをされたら周り(特に上司)が迷惑しますよ。

 

会社なんですから組織で動くのです。
自分ひとりで全て問題解決しようとする人間こそ迷惑なのです。
もっと言うと、ここで頑張っても報われないのです。

 

ずっと働いていれば、大きなミスをすることは誰にでも起こりうることです。そんなとき、他力(他人の力)を使えるかどうかが早期解決の秘訣なのです。

 

何事も全部自分で解決してしまう傾向のある方は、もっと気楽に考えましょう。

 

多くの人を巻き込めば巻き込むほど、そのミスは速く解決します。
ストレスも軽減されます。何より楽ですしね。

そして、多くの人を巻き込んだことについて、会社から評価を下げられることはありません。会社にとってしてみれば、ミスを迅速に解決してくれたことを評価する理由にはなっても、評価を下げる理由にはなりようがありません。

だってそうしなかったらもっと傷が開いていたかもしれないのですから。

 

どうせなら楽で、問題も早く解決できる道を選びましょう。
人に小さな迷惑をかけ続けることが、大きな迷惑を回避する秘訣です。

 

仕事なんて、図々しくやっていいんですよ。

やりたいことは仕事中でもできる

とても小さな話で恐縮ですが、私がうつ状態で必死に職場で机にしがみついていた時、ちょっと休みたいなと思っても、「まだ休憩時間じゃないから我慢」と自分に言い聞かせて、休まずに頑張っていました。

 

「休憩したい」というやりたいことを我慢していました。

 

うつを克服した今、やりたいことを我慢しながら仕事を毎日毎日頑張っている皆さんに、「今やりたいことは何ですか?」とたくさんの人に聞くと決まって皆さん悩みます。


「仕事を頑張ってお金を貯めて〇〇に旅行に行きたい」
「いつか独立して自分の店を持ちたい」
「マイホームを買って暮らしたい」

 

いつも思いますが、皆さん考えることが大きすぎます(笑)。「今」やりたいことですから、仕事中ふと思う「休憩したい」と思う感情でも十分やりたいことなんです。
「いやそんな小さいこと考えても」と思われるかもしれませんが、ではその小さいことを実行していますか?と聞くと多くの人が実行していません。

なぜなら休憩時間でないから。

私はある日やりたいと思ったことを片っ端から実行してくことにしました。

疲れたら、休む。
のどが乾いたら、ジュースを買いに行く。
お腹がすいたら、売店にパンを買いに行く。

 

それで私の評価が下がったと思いますか?当たり前ですが下がりません。
皆さまが言うようにこれはとても「小さなこと」なんです。誰も気にしません。
(これを気にするような上司や同僚であれば、そもそも相手にする必要はありません)
私はそれで小さなストレスから解放されました。

仕事が難しいので、隣の人に手伝いをお願いしたい。

 

これも立派なやりたいことです。
実践して評価が下がりますか?下がるわけないじゃないですか。
仮に嫌な顔をされても気にしない。
あなたにはその権利があるのですから。

 

もっと小さなやりたいことをどんどん発散していきましょう。少しずつ職場が居心地の良い空間になっていきますから。

仕事を頑張らないことを頑張る

仕事を頑張っても報われることはありません。
ですので頑張りません。

 

わたしがうつを克服したすべての始まりがここでした。
ある日、自分はここまで悩んできたのだから、もう頑張らなくてもよい人間だと決めたのです。

「自分には頑張らない権利がある」と自分でそう決めたのです。

 

権利があるんだから、難しい仕事はすぐに人に相談し、可能な限り手伝ってもらおうと思いました。でも職場の人はみんな忙しい。本当に手伝ってくれるのか。

とりあえず各ジャンルの得意分野を持つ方10人ほどに私の1日の仕事の一部を細かく分割してお願いしてみました。「ちょっと仕事が立て込んでまして・・・」とかなんとか言って。

嫌な顔はされませんでした。むしろ、これまで私が大変そうだったからか、そのくらい全然やるよと言ってもらえました。(1人1人からすれば、私1日の仕事のさらに一部を10分割した仕事量などたかがしれているのです)

 

それまで勝手に「人に仕事を押し付けるのは悪」だと思っていた自分にとっては、新鮮な経験でした。なんだ、もっと早めに言えばよかった。

 

そしてその結果、ありえないほど早く仕事が終わりました。
そりゃだって、1人でやっていた仕事を10人に分散させたらあっという間ですよ。

そして手伝ってくれた方はというと、人助けをしたという感情からかむしろ少しうれしそうでもありました。

 

周りに、仕事をバリバリこなすわけでもないのに毎日定時に帰り、楽に人生を楽しんでいる人はいませんか?
そのからくりはほとんどこれです。

もっと人に迷惑をかけていいんです。結果的にうまく回っていきますから。

どうせ頑張るなら、仕事を頑張らないことを頑張りましょう。